2008年11月19日水曜日

Inter BEE 2008

今年もInter BEE 2008に行ってきた。
色んな機材やソフトに魅了され色々欲しくなるが、今年はリハビリでろくに仕事してないので、当面は遠いなあ。
今年はAppleが出展していなかった。どうしてだろう?先日のcolorを使用する中で質問したいことがたくさん出来たので、InterBEEのブースで質問するつもりだったのに……。
そうそう、そのcolorを使用して制作したDVDが付録で付いている写真集、『雫(しずる)』が先日発売になりました。どうぞよろしくです。

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』

東京映像芸術学院・特撮科の教え子(僕自身は大して教えてないが)に映画に誘われた。映画は特撮科OBらしく『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』。教え子とは言え、もはや30代。いいおっさん3人連れ立ってゾンビ観賞である。と自嘲しつつ入った映画館、てっきりガラガラかと思っていたのだが、同じような年代の方々で結構賑わっている。日本もなかなかのゾンビ人口である。
さて、今回もゾンビ映画のロメロ先生、毎回ゾンビ映画なのに、毎回面白い。題材も現代をしっかり反映させていて、YouTubeやブログ時代の情報氾濫を背景に、カメラ付き携帯を持ち歩きネットで情報を得る我々全員に疑問と肉片を投げかけてくる。ジャンル映画として成立させつつも、しっかりテーマと切り口があり、脳天を打ち抜きとどめを刺す刺激もあり、まるで映画づくりの教科書のようでもある。映画学校出身のおっさん3人は、すっかり感服して観賞する。
最近はゾンビよりの描写が目立つロメロ先生。今回のラストはさらに痛感した、ロメロ先生は人間に怒っているのだと。最前線でゾンビと戦いつつも、人間を厳しく睨みつける先生に背筋が伸びる(僕の背骨は金属付だが)思いである。

2008年11月18日火曜日

『僕らのミライへ逆回転』

「ぜひ『僕らのミライへ逆回転』を観てもらいたい!」と友人のimao氏に薦められてバルト9に観に行く。公開開始からずいぶん日もたち、24:05開始のミッドナイトのみの上映なので、観客は最終的に僕を含めて3人(開始直前まで、すわ一人!の状態)。こういう少人数の上映って、「昔、映画館(自由が丘武蔵野館)でバイトしてた時の事を思い出すな」なんて思いつつ映画が始まる。
冒頭は電磁波ネタで奇奇怪怪。展開のリズムもやたらと跳び気味。いったいどこに行くんだろうと思っていたら、電磁波ネタ自体がどこかに飛んでいってまい、それから本筋にエンジンがかかる。観ていて少々不安になる奇天烈導入だが、そんな型にはまらないところも面白い。走り出した本筋は、色んな映画へのオマージュ(パロディ?)を、自主映画制作目線からバカバカしくも愛に満ちてこれでもかと繰り出してくる。ともすれば痛い学芸会になってしまうゼロ予算自主映画制作の内幕設定の節々に、手作り設定ならではの気の利いた演出が満ち満ちて、お仕着せの学芸会ではなく、下手でも創作と青春の叫びをあげる素敵な文化祭になっている。勢いとセンチメンタリズム、阿呆やっててもどこか本気だったりする、そんな素敵な文化祭になっている。これっていい歳した大人の青春映画だなって思う。取り上げられる映画も30代後半から40代の映画ファンにはたまらない作品ばかり、実際映画同様に図書室で『ゴーストバスターズ』の真似を撮影して喜んでいた中学生時代をすごした僕にはなおさらである。
出演者も良い、ミア・ファローの普通なのだが微妙にズレてるおばちゃんのキャラクターは派手さこそないが、非常にすごいキャラと演技だと思う。シガーニー・ウィーヴァーは、初めシガーニー・ウィーヴァー風に見えた。似た女優さんかと思ったのだ(笑)良い意味でね。導入が終わったあたりで突如、本筋に巻き込まれるヒロインのキャラクターの外し具合も絶妙。ハリウッド映画のヒロインというより学生自主映画でちょっと気になる女友達といった感じがむしろすごく良い。
うーん、楽しい。
夜2時の帰りのエレベータは、3人だけの観客なので当然のながれで3人一緒になった。僕以外の二人は、おそらく僕よりやや年上のカップルなのだが、聞こえてくる会話からすると楽しんだようである。良かった、僕の青春を楽しんでもらえて。そんな風に思えてしまう、僕にとって他人事の気がしない作品だった。