某アイドル雑誌付録DVDの、企画部分のひとつを編集をすることになった。実はすでに初夏にネット配信済みの物の再編集である。せっかくなので、Motionでテロップを派手にしたりしたのだが、映像だけでなく音も増強したい。ということでこれを機に、今まであまり使わなかったSoundtrack Proを試してみる。先日、colorを試したときも、まずはチュートリアルDVDとユーザーマニュアルに二日ほど向き合うことになったが、今回も同じ形で入ることにする。今回、初めてきちんと向き合う中でcolorの時と明らかに違うのは、大量の収録素材(ここでは音源)である。これもある程度は目を(耳を)通しておかないと、作業に反映できない。とはいえ、ものすごい量である。これをチェックしているだけで、日中が終わりそうになる。いやはや、こんなに素材が収められているとは知らなかった。質も非常に良い。仕事柄、BGMや効果音のフリー音源CDを数枚持ってはいるのだが、そのどれよりも明らかに質がよいのだ。安っぽい音のわりに高価なフリー音源CDを買う事が(買ったことが)非常に馬鹿馬鹿しく思えてきてしまう。
さてと実作業に移り、その音源たちを駆使始めたのだが、どうもソフト自体の安定度が悪い。何度もクラッシュしてしまう。これは今回のプロジェクトの素材のせいなのだろうか。もう少し使っていかないと分からないところだが、自動保存の機能もないのはいかがなものか。仕事上では、あまり負担をかけない使い方をして様子をみていったほうが良さそうだ。
今日、準完成の状態までできたのでマスターを書き出した。そして、書き出した音をFinalCut上で映像と組み合わせて聞いて見た。何故かある部分の音だけがスカっと抜けている。書き出す前にSoundTrack Pro上で何度も再生チェックした上で書き出したのだが、どういうわけだろう。もう一度、SoundTrack Proに戻って確認してみるが問題はないようだ。おかしい。あちこち調べて、その部分だけ素材の2ch側を使用していたことが分かる。他では素材の1ch側を使用しているのだ(現場がモノラル録音であっても、録音レベル違いで、両チャンネルを使用したりする)。それが原因だろうか。再生のチャンネル指定はちゃんとしてあるのだが何故だ。試しにその部分の2ch側の音を、同箇所の1ch側の音と入れ替えて、該当のチャンネル指定を変えてみる。すなわちこれで素材は全て1chのみを再生指定の状態にした。そして出力したのだが、今度はうまくいった。意図する音が全て含まれてファイル出力されている。モニタ用とファイル出力用では、何か違うのだろうか?
ともあれ、ビデオカメラからのモノラル2ch素材の取り扱いは気をつけたほうが良さそうだ。出力時以外にも、ノーマライズ等の処理時に不可視の非選択チャンネル側が影響を及ぼしていた。使用しないch側は無音にすべきかもしれないが、でもそれによって今回の件は無音再生が起きたらしいし、良き使用法はまだまだ探る必要がありそうだ。あと、これは言える、こまめにプロジェクト保存が肝心。
追記)
本誌に告知も出たので某雑誌の事を書きますと学研BOMBです。1月号(12/9発売)の付録DVDのチャプター1が上記に該当します。かなりオバカな内容です(苦笑)
使用楽曲は1曲だけいつもお世話になっている高橋克行さんに作ってもらってますが、他の楽曲とSEはSoundtrackPro収録のものです。御覧になると「そういえばこの曲、CMで聞いた事あるな」という曲もあるかも。先日、テレビを観ていて同じ曲が流れたので「SoundtrackProで整音されたのかな」とほくそ笑みました。
2008年10月31日金曜日
2008年10月25日土曜日
Photoshopが正常作動しなくなった
Photoshopが正常作動しなくなった。Photoshopで画像を開けようとするとソフトは起動するのだが、その後表示される色空間の選択肢を選び次に行こうとすると、しばし沈黙の後、落ちてしまう。先ほど、元のPRODUCTION PREMIUMのディスクからPhotoshopだけ再インストールしてみたが、それでも直らない。
おかしくなったのは、昔マックで作ったPSDファイルをBRIDGEを介して開こうとしてからだと思う。次はBRIDGEと組みで再インストールしてみようかな。
追記)
「BRIDGEと組みで…」と書いたけど、そういう選択肢はないようだったので、思い切ってPRODUCTION PREMIUMを一度丸ごとアンインストールして、それからインストールしなおしてみた。
しかし……
やはりPhotoshopだけ落ちる。。。
あとはOSから入れなおすのか????
大事になるので、やりたくないのだが。。。どうしたものか。。。
おかしくなったのは、昔マックで作ったPSDファイルをBRIDGEを介して開こうとしてからだと思う。次はBRIDGEと組みで再インストールしてみようかな。
追記)
「BRIDGEと組みで…」と書いたけど、そういう選択肢はないようだったので、思い切ってPRODUCTION PREMIUMを一度丸ごとアンインストールして、それからインストールしなおしてみた。
しかし……
やはりPhotoshopだけ落ちる。。。
あとはOSから入れなおすのか????
大事になるので、やりたくないのだが。。。どうしたものか。。。
2008年10月20日月曜日
退院後初の映画館
映画館のイスの角度は、僕の背骨&チタンにはどうにも快適さに欠け疲れるので、退院後はずっと映画館から遠ざかっていた。しかし退院して半年が過ぎ、昨日、ついに映画館で映画を観た。観たのは『イントゥ・ザ・ ワイルド』。椅子の角度はやはり快適ではなかったが、上着を椅子との隙間に挟んで対処。長めの上映時間だが気にならないどころか、のめりこむ。今回もショーン・ペンに心つかまれたのだ。饒舌とは言いがたいものの、故にむしろ剥き出しの純粋さが、恐れを知らずに鼓動を打っている。良かった、退院後初にして重心が肉と心に宿りそうな作品を劇場鑑賞できて。
2008年10月13日月曜日
HD素材のアイドルDVDでカラリングを施してみた
★全HD素材のアイドルDVDの仕事来ました。
まだまだSD映像の仕事ばかりとは言え、HDへの対応も現実的・実際的に考え始めないといけないなと思う昨今。たまに短い尺でHD素材を試したりもしてきたが、ついに来ました全素材がHDの編集仕事。とはいっても納品はやはりSDですが。
それは久々のタレントDVDのまるごと編集仕事。今回の素材はほとんどがHDV、それに僕が撮影したDVCPRO HDが少し混ざっているという全素材がHD。今までHD素材を使用しても尺が短かったので力技で何とかしてきたが、今回は完成尺45-50分ぐらいのもの、力技では対応しきれない。そこで編集を始める前に(実際は始めながら)自分なりに今回のワークフローを考えてみることにした。
★HDVを粗編してSD サイズに。コーデックApple ProRes 422を試す。
1)FinalCutでHDVのまま粗編する。
2)そのままHDVコーデックで粗編をQuickTimeに書き出す。
3)それをshakeに入れてFileInのTimingタブのパラメータ(そして、その中のconvertのパラメータ)をいじって720*480(スクイーズの16:9)に変換を設定。ここでの目的は、インターレースを除去しつつ効果的に縮小化し、綺麗なSD素材に変換すること。
4)そして、FileOutで書き出し。なのであるが、ここで何のコーデックで書き出すかが問題。
さて、どうするか。
今回のDVDは写真集の付録なのだが、当の写真が非常に個性的なルックを持っている。写真集を刊行する編集部からも「同じような効果を映像では可能?」とやんわりオーダーされている。大幅なカラリングをするのであれば、素材は極力綺麗なコーデックのほうがいい。ここで「DVCAM納品」だからとDV圧縮を選んでしまえば、カラリングでの表現の可能性は狭くなってしまうだろう。
そこで、「非圧縮4:2:2」を試してみた。悪くない。縮小することで得られた画質向上は維持されていると思う。問題は重い。FinalCutに取り込んで編集を試みたが、なんとも足回りが悪く、編集をつめていくには大きなストレスとなる。今回は致命的。
DV(4:1:1)ぐらい足回りが軽くて、DVより画質の良いコーデックはないのか?と調べるとすぐに「Apple ProRes 422」が目を引いた。さっそく「非圧縮4:2:2」と比較してみる。同じ絵をそれぞれのコーデック変換したものを比べても目視レベルでは全く同じ。互いの差をとり、さらにレベル補正で強引に持ち上げて、やっと微妙な違いが判別できる程度。そして編集の足回り、これも良かった。DV編集と変わらぬぐらいの軽やかさだ。というわけで、今回はApple ProResコーデックで中間素材を扱っていくことにする。
というわけで、先の手順の続きを、少しダブらせて続ける。
4)そして、FileOutでApple ProRes 422コーデックのSDで書き出し。
この「HDV→DVサイズのAppleProRes」のリサイズは時間がかかった。shakeでの変換のパラメータはデフォルトの処理時間かからない設定で行ったのだが、現在最新のMacProにおいても1分の変換に約36分。20分の変換をしたら、さらにだんだんスピードが落ちていき、1日半かかってしまった。長すぎ。
話を作業進行に戻す。
5)SD(Apple ProRes 422)に変換したQuickTimeを再びFinalCutProに戻す。Apple ProRes設定のシーケンスにそれを敷く。ただそのままだと、一本化されていてカットの区切りが分からないので、元のHDV粗編を別トラックにコピペして、それを下敷きにAppleProRes素材に切れ目を入れる。
6)(Apple ProRes素材で)編集を仕上げる。
さてカラリングをどうするか問題。
★カラリングを何で行うべきか。そしてグレイン除去も欲しい。
カラリングを何のアプリで行うべきか。ホワイトバランスずれの色調整ぐらいなら、FinalCut内臓のエフェクトのみで対応可能なのだが、完全に創作としてのカラリングとなるとFinalCutでは無理である。
今回の編集に先立つ事一年ほど前に、実は同じ素材を用いて同様の効果を作成したことがある。使用したのはCombustion。同様のCGアプリとして、むしろもっとメジャーなAfterEffectsがあるが、カラリングに関してはCombustionのが向いている。その時はFinalCutからカラリングするカットだけTiff連番で書き出して、WindowsのCombustionに入れて処理し、またTiff連番で書き出してMacのFinalCutに戻していた。連番のやりとりはMacとWinをまたいでも画質はほぼキープされるものの、進行の足回りがひどく悪くなる。短期間&低予算(苦笑)で50分近い尺を扱う今回では非現実的だ。
今回の現実的方向は、可能な限りMac内で全ての処理を完結させること。まずshakeでCombustionで行った処理と同じ事が可能か試してみる。かなり可能そうだが、決定的にshakeのデフォルトに欠けているものがある。 グレイン(フィルムのノイズ粒子)追加のエフェクトはデフォルト搭載されているが、グレイン除去のエフェクトがデフォルトでは搭載していないのである。さて、「ビデオ素材なのに何故フィルムグレイン除去が必要なのか」というと、使用目的はグレイン除去ではなく、肌の質感を良くする為である。女性タレント映像なのでこれはできるだけ押さえておきたい。デフォルト搭載はなくともサードパーティーでは出ているようだが、自分の現状を考えるにそこに高額の投資をするのは的確か疑問。自分でエフェクト開発も一瞬試したが、そう簡単ではなく、今回の限られた時間内では非現実的とすぐに諦める。
★colorを試してみる。
そこでふと思い出したのがFinalCutStudio搭載のcolor。以前、一度軽くいじってみたのだが、パネルが英語のままな事もあり直感操作できないのでさっさと諦めたのだが、グレイン除去のエフェクトもデフォルト搭載されているようだし、何よりFinalCut Studioファミリーのひとつ、ワークフローの足回りを良くするには、うってつけだろう。ここは覚悟して向き合ってみるしかなさそうだ。
マニュアルは日本語版があるので読み始めてみるが、当然かたくて理解するには時間がかかってしまいそう。ざっと全体の概要を掴んでから、かたい詳細を読みたいところである。すると目にとまったのが付属のチュートリアルDVD。普段は素人っぽい気がして見たりしないのだが、ここは謙虚に(?)拝見することにする。そのまま再生したら英語なので一瞬たじろぐが、すぐに日本語に切り替えられることに気づく。非常に短く全体をまとめられていてすごく良い。すでにCombustionでカラリングの基礎知識はあったせいもあって、かなり全体を理解できた。そして、それからじっくりマニュアルに目を通す。結局、目を通すのに2日かかってしまったが、やれる自信がついた。「とにかくいじってみる」から入って仕事として使うようになったCGだが、最近は「じっくり基礎を理解する」から入るのも良いなと思う。
さて、実際にcolorを使ってみてだが、Combustionのカラコレの主要部とshakeの簡易版が組み合わさったような印象を受けた。shakeはすでに開発終了なので、appleはその機能をmotionとcolorに配分するつもりなのかもしれない。Combustionとshakeを使用した経験のある僕としては、作業手順を把握してしまえば、細かい実作業自体は既視感を感じるくらいサクサク進められた。戸惑ったのは、その作業手順である。目的別の作業室がいくつかあり、そのラインを通じて映像を加工する考え方なのだが、これを感覚的に掴むのに少し手間取った。この作業手順は、僕は他では見たことがない。おそらくマニュアルを読まなければ理解できなかったと思うが、分かってしまえば非常に理に適った手順である。気に入った。もっと使ってみたいと思った。ひとつ残念なのが、僕のマシンだと内部演算を8bitでした行えないこと。floatまではいかずとも、16bitでは行えるようにもしておきたい。僕のグラボは購入時にカスタムで選択したもので、デフォルトのものではない。どうやらデフォルトのグラボでないと内部演算の選択肢に制限があるようなのだ。この事はあまり注意事項として大きく表記されていないので、少し問題ではないかと思う。それとも、まだ開発間もないソフトなので、近々にも対応予定なのだろうか。
それでは、手順の続き
7)FinalCutから編集したシーケンスごとcolorに送信。
8)colorにてカラリング。レンダリング。
9)colorからFinalCutに送信。FinalCut内にカラリング済みの新たなシーケンスが作られる。
10)再生チェック。
11)もし、colorで再修正したい場合は、colorの該当プロジェクト上で修正し、修正箇所をレンダリング。すると、FinalCut側は最新レンダリングを反映してくれる。
12)もし、編集を少し変えたいときは、そのままカラリング済のシーケンスを編集。さらにcolorでの再調整も反映される。ただ大きな編集直しは、colorとの連動を壊しかねないので避けたい。編集を固めてからカラリングすべき。
13)あとはシーケンスを出力形式に合わせた形に変換。今回はDV形式で書き出した。DV形式のシーケンスに配置しなおすのもありだと思う。ただここで、プログレッシブ素材がインターレース素材と誤認された上で、プログレッシブのシーケンスに配置されないように注意。FinalCutの自動判別に任せていると、意外と発生しやすい。これは解像度が落ちたような画質劣化につながる。
★ShakeとApple ProRes 422の不和?
新たにApple ProResコーデックとcolorをワークフローに取り入れて、想像以上に可能性が広がったのだが、同時に疑問点もでてきた。
今回の素材はHDV以外に、1シーンのみDVCPRO HD 24pで撮られている。これをcolorでカラリングし、他と同じくApple ProRes422コーデックでFinalCutのシーケンスに渡した。最終書き出しは60iのDVCAMなので、このカラリングされたシーケンスをプルダウンする必要がある。そこで、FinalCutからApple ProRess 422でシーケンス全体を書き出し、それをshakeにてプルダウン処理し、Apple ProRess 422でFinalCutに戻そうとした。これがうまくいかない。画像がカラーノイズになってしまうのである。色々試してみたところ、どうやらshakeはApple ProRess 422の出力には対応しているが、入力には対応していないようだ。(*追記下部にあり)ネットで調べてみると、海外でも同様の疑問を持った人がいたようで、その人はファイルをブートディスクに置いたらうまくいったような事を書いていた(英語なので理解不完全)が、僕の場合、それでもうまくいかなかった。しかたないので、ここは重くても非圧縮4:2:2コーデックを使用し、再実行。今度はうまくいく。
★Apple ProRess 422で分からない点
先のshakeとの相性もそうだが、Apple ProRess 422で分からない点がいくつかある。
ムービーの書き出しとしてApple ProRess 422設定を選ぶ場合、設定のウィンドウにおいてCompressorという項目があり、Interlaceの選択肢と、ChromaFilterのチェックボックスがあり、これらの効果に関する記載が、少なくとも日本語では見当たらない。軽く、それらの選択肢オンオフを切り替えた画像を比較してみたが、非常に微妙な違である。単に、ファイルサイズを小さくするための圧縮手段の選択肢なのだろうか。前述のshakeとの不和を調べていた時に見た海外掲示板では、これらをオンにすると、書き出しの時間が倍増するような事が書いてあったが、これは未検証。
あと、今回使用したApple ProRess 422はApple ProRess 422(HQ)というほうなのだが、shakeで書き出したものと、FinalCutで書き出したものが、FinalCutのファイル分析にかけると、前者は(最高品質)と表示され、後者は(中品質)と表記されるのである。書き出しの時に品質選択はないようなので、いったいどこでこの差が生まれるのか分からないし、実際の画質を見る限り差があるように思えない。それどころか、中品質とされるほうのがビットレートが高い場合するある。いったい、この(最高品質)(中品質)は何を意味しているのだろうか。
★その効果のほどは。宣伝と余談。
来月11月11日に学研から発売される写真集『雫-しずる-』(写真家・長野博文氏)の付録DVDにて効果のほど確認できます。7人の若手新進女優を長野さん独特の透明感あふれる質感で捉えた写真集です。今回のカラリングは、長野さんの写真の魅力的な質感という、リファレンスというには眩しい目標を参照させていただきながらの作業だからこそ可能だったのだと思います。ありがとうございます。
ちなみに今回僕が撮影したのは、とある一人のパートのみ。あとは『好夏』のプロデューサーでもある一木氏が自らSonyのHDVカメラで撮影しています。撮影好きの一木氏ですが、氏の素材がこれだけ占めるDVDも少ないのでは。と思ったら他にもありました。『好夏』のメイキングDVDです。
<後日の追記です>
上記の「どうやらshakeはApple ProRess 422の出力には対応しているが、入力には対応していないようだ」の件について追記。
先日、Appleのプロアプリケーションアップデートの項目に珍しくshakeが入っていたので、もしやと思いアップデートしてみたところ、上記の件、どうやら対応されたようだ。精査こそまだしていないが、一見したところ問題なさそうである。
合わせてcolorもアップデートあったのだが、例のグラボとの相性はそのままらしく、うちのMacでは8bit演算のみの状態。。。。
まだまだSD映像の仕事ばかりとは言え、HDへの対応も現実的・実際的に考え始めないといけないなと思う昨今。たまに短い尺でHD素材を試したりもしてきたが、ついに来ました全素材がHDの編集仕事。とはいっても納品はやはりSDですが。
それは久々のタレントDVDのまるごと編集仕事。今回の素材はほとんどがHDV、それに僕が撮影したDVCPRO HDが少し混ざっているという全素材がHD。今までHD素材を使用しても尺が短かったので力技で何とかしてきたが、今回は完成尺45-50分ぐらいのもの、力技では対応しきれない。そこで編集を始める前に(実際は始めながら)自分なりに今回のワークフローを考えてみることにした。
★HDVを粗編してSD サイズに。コーデックApple ProRes 422を試す。
1)FinalCutでHDVのまま粗編する。
2)そのままHDVコーデックで粗編をQuickTimeに書き出す。
3)それをshakeに入れてFileInのTimingタブのパラメータ(そして、その中のconvertのパラメータ)をいじって720*480(スクイーズの16:9)に変換を設定。ここでの目的は、インターレースを除去しつつ効果的に縮小化し、綺麗なSD素材に変換すること。
4)そして、FileOutで書き出し。なのであるが、ここで何のコーデックで書き出すかが問題。
さて、どうするか。
今回のDVDは写真集の付録なのだが、当の写真が非常に個性的なルックを持っている。写真集を刊行する編集部からも「同じような効果を映像では可能?」とやんわりオーダーされている。大幅なカラリングをするのであれば、素材は極力綺麗なコーデックのほうがいい。ここで「DVCAM納品」だからとDV圧縮を選んでしまえば、カラリングでの表現の可能性は狭くなってしまうだろう。
そこで、「非圧縮4:2:2」を試してみた。悪くない。縮小することで得られた画質向上は維持されていると思う。問題は重い。FinalCutに取り込んで編集を試みたが、なんとも足回りが悪く、編集をつめていくには大きなストレスとなる。今回は致命的。
DV(4:1:1)ぐらい足回りが軽くて、DVより画質の良いコーデックはないのか?と調べるとすぐに「Apple ProRes 422」が目を引いた。さっそく「非圧縮4:2:2」と比較してみる。同じ絵をそれぞれのコーデック変換したものを比べても目視レベルでは全く同じ。互いの差をとり、さらにレベル補正で強引に持ち上げて、やっと微妙な違いが判別できる程度。そして編集の足回り、これも良かった。DV編集と変わらぬぐらいの軽やかさだ。というわけで、今回はApple ProResコーデックで中間素材を扱っていくことにする。
というわけで、先の手順の続きを、少しダブらせて続ける。
4)そして、FileOutでApple ProRes 422コーデックのSDで書き出し。
この「HDV→DVサイズのAppleProRes」のリサイズは時間がかかった。shakeでの変換のパラメータはデフォルトの処理時間かからない設定で行ったのだが、現在最新のMacProにおいても1分の変換に約36分。20分の変換をしたら、さらにだんだんスピードが落ちていき、1日半かかってしまった。長すぎ。
話を作業進行に戻す。
5)SD(Apple ProRes 422)に変換したQuickTimeを再びFinalCutProに戻す。Apple ProRes設定のシーケンスにそれを敷く。ただそのままだと、一本化されていてカットの区切りが分からないので、元のHDV粗編を別トラックにコピペして、それを下敷きにAppleProRes素材に切れ目を入れる。
6)(Apple ProRes素材で)編集を仕上げる。
さてカラリングをどうするか問題。
★カラリングを何で行うべきか。そしてグレイン除去も欲しい。
カラリングを何のアプリで行うべきか。ホワイトバランスずれの色調整ぐらいなら、FinalCut内臓のエフェクトのみで対応可能なのだが、完全に創作としてのカラリングとなるとFinalCutでは無理である。
今回の編集に先立つ事一年ほど前に、実は同じ素材を用いて同様の効果を作成したことがある。使用したのはCombustion。同様のCGアプリとして、むしろもっとメジャーなAfterEffectsがあるが、カラリングに関してはCombustionのが向いている。その時はFinalCutからカラリングするカットだけTiff連番で書き出して、WindowsのCombustionに入れて処理し、またTiff連番で書き出してMacのFinalCutに戻していた。連番のやりとりはMacとWinをまたいでも画質はほぼキープされるものの、進行の足回りがひどく悪くなる。短期間&低予算(苦笑)で50分近い尺を扱う今回では非現実的だ。
今回の現実的方向は、可能な限りMac内で全ての処理を完結させること。まずshakeでCombustionで行った処理と同じ事が可能か試してみる。かなり可能そうだが、決定的にshakeのデフォルトに欠けているものがある。 グレイン(フィルムのノイズ粒子)追加のエフェクトはデフォルト搭載されているが、グレイン除去のエフェクトがデフォルトでは搭載していないのである。さて、「ビデオ素材なのに何故フィルムグレイン除去が必要なのか」というと、使用目的はグレイン除去ではなく、肌の質感を良くする為である。女性タレント映像なのでこれはできるだけ押さえておきたい。デフォルト搭載はなくともサードパーティーでは出ているようだが、自分の現状を考えるにそこに高額の投資をするのは的確か疑問。自分でエフェクト開発も一瞬試したが、そう簡単ではなく、今回の限られた時間内では非現実的とすぐに諦める。
★colorを試してみる。
そこでふと思い出したのがFinalCutStudio搭載のcolor。以前、一度軽くいじってみたのだが、パネルが英語のままな事もあり直感操作できないのでさっさと諦めたのだが、グレイン除去のエフェクトもデフォルト搭載されているようだし、何よりFinalCut Studioファミリーのひとつ、ワークフローの足回りを良くするには、うってつけだろう。ここは覚悟して向き合ってみるしかなさそうだ。
マニュアルは日本語版があるので読み始めてみるが、当然かたくて理解するには時間がかかってしまいそう。ざっと全体の概要を掴んでから、かたい詳細を読みたいところである。すると目にとまったのが付属のチュートリアルDVD。普段は素人っぽい気がして見たりしないのだが、ここは謙虚に(?)拝見することにする。そのまま再生したら英語なので一瞬たじろぐが、すぐに日本語に切り替えられることに気づく。非常に短く全体をまとめられていてすごく良い。すでにCombustionでカラリングの基礎知識はあったせいもあって、かなり全体を理解できた。そして、それからじっくりマニュアルに目を通す。結局、目を通すのに2日かかってしまったが、やれる自信がついた。「とにかくいじってみる」から入って仕事として使うようになったCGだが、最近は「じっくり基礎を理解する」から入るのも良いなと思う。
さて、実際にcolorを使ってみてだが、Combustionのカラコレの主要部とshakeの簡易版が組み合わさったような印象を受けた。shakeはすでに開発終了なので、appleはその機能をmotionとcolorに配分するつもりなのかもしれない。Combustionとshakeを使用した経験のある僕としては、作業手順を把握してしまえば、細かい実作業自体は既視感を感じるくらいサクサク進められた。戸惑ったのは、その作業手順である。目的別の作業室がいくつかあり、そのラインを通じて映像を加工する考え方なのだが、これを感覚的に掴むのに少し手間取った。この作業手順は、僕は他では見たことがない。おそらくマニュアルを読まなければ理解できなかったと思うが、分かってしまえば非常に理に適った手順である。気に入った。もっと使ってみたいと思った。ひとつ残念なのが、僕のマシンだと内部演算を8bitでした行えないこと。floatまではいかずとも、16bitでは行えるようにもしておきたい。僕のグラボは購入時にカスタムで選択したもので、デフォルトのものではない。どうやらデフォルトのグラボでないと内部演算の選択肢に制限があるようなのだ。この事はあまり注意事項として大きく表記されていないので、少し問題ではないかと思う。それとも、まだ開発間もないソフトなので、近々にも対応予定なのだろうか。
それでは、手順の続き
7)FinalCutから編集したシーケンスごとcolorに送信。
8)colorにてカラリング。レンダリング。
9)colorからFinalCutに送信。FinalCut内にカラリング済みの新たなシーケンスが作られる。
10)再生チェック。
11)もし、colorで再修正したい場合は、colorの該当プロジェクト上で修正し、修正箇所をレンダリング。すると、FinalCut側は最新レンダリングを反映してくれる。
12)もし、編集を少し変えたいときは、そのままカラリング済のシーケンスを編集。さらにcolorでの再調整も反映される。ただ大きな編集直しは、colorとの連動を壊しかねないので避けたい。編集を固めてからカラリングすべき。
13)あとはシーケンスを出力形式に合わせた形に変換。今回はDV形式で書き出した。DV形式のシーケンスに配置しなおすのもありだと思う。ただここで、プログレッシブ素材がインターレース素材と誤認された上で、プログレッシブのシーケンスに配置されないように注意。FinalCutの自動判別に任せていると、意外と発生しやすい。これは解像度が落ちたような画質劣化につながる。
★ShakeとApple ProRes 422の不和?
新たにApple ProResコーデックとcolorをワークフローに取り入れて、想像以上に可能性が広がったのだが、同時に疑問点もでてきた。
今回の素材はHDV以外に、1シーンのみDVCPRO HD 24pで撮られている。これをcolorでカラリングし、他と同じくApple ProRes422コーデックでFinalCutのシーケンスに渡した。最終書き出しは60iのDVCAMなので、このカラリングされたシーケンスをプルダウンする必要がある。そこで、FinalCutからApple ProRess 422でシーケンス全体を書き出し、それをshakeにてプルダウン処理し、Apple ProRess 422でFinalCutに戻そうとした。これがうまくいかない。画像がカラーノイズになってしまうのである。色々試してみたところ、どうやらshakeはApple ProRess 422の出力には対応しているが、入力には対応していないようだ。(*追記下部にあり)ネットで調べてみると、海外でも同様の疑問を持った人がいたようで、その人はファイルをブートディスクに置いたらうまくいったような事を書いていた(英語なので理解不完全)が、僕の場合、それでもうまくいかなかった。しかたないので、ここは重くても非圧縮4:2:2コーデックを使用し、再実行。今度はうまくいく。
★Apple ProRess 422で分からない点
先のshakeとの相性もそうだが、Apple ProRess 422で分からない点がいくつかある。
ムービーの書き出しとしてApple ProRess 422設定を選ぶ場合、設定のウィンドウにおいてCompressorという項目があり、Interlaceの選択肢と、ChromaFilterのチェックボックスがあり、これらの効果に関する記載が、少なくとも日本語では見当たらない。軽く、それらの選択肢オンオフを切り替えた画像を比較してみたが、非常に微妙な違である。単に、ファイルサイズを小さくするための圧縮手段の選択肢なのだろうか。前述のshakeとの不和を調べていた時に見た海外掲示板では、これらをオンにすると、書き出しの時間が倍増するような事が書いてあったが、これは未検証。
あと、今回使用したApple ProRess 422はApple ProRess 422(HQ)というほうなのだが、shakeで書き出したものと、FinalCutで書き出したものが、FinalCutのファイル分析にかけると、前者は(最高品質)と表示され、後者は(中品質)と表記されるのである。書き出しの時に品質選択はないようなので、いったいどこでこの差が生まれるのか分からないし、実際の画質を見る限り差があるように思えない。それどころか、中品質とされるほうのがビットレートが高い場合するある。いったい、この(最高品質)(中品質)は何を意味しているのだろうか。
★その効果のほどは。宣伝と余談。
来月11月11日に学研から発売される写真集『雫-しずる-』(写真家・長野博文氏)の付録DVDにて効果のほど確認できます。7人の若手新進女優を長野さん独特の透明感あふれる質感で捉えた写真集です。今回のカラリングは、長野さんの写真の魅力的な質感という、リファレンスというには眩しい目標を参照させていただきながらの作業だからこそ可能だったのだと思います。ありがとうございます。
ちなみに今回僕が撮影したのは、とある一人のパートのみ。あとは『好夏』のプロデューサーでもある一木氏が自らSonyのHDVカメラで撮影しています。撮影好きの一木氏ですが、氏の素材がこれだけ占めるDVDも少ないのでは。と思ったら他にもありました。『好夏』のメイキングDVDです。
<後日の追記です>
上記の「どうやらshakeはApple ProRess 422の出力には対応しているが、入力には対応していないようだ」の件について追記。
先日、Appleのプロアプリケーションアップデートの項目に珍しくshakeが入っていたので、もしやと思いアップデートしてみたところ、上記の件、どうやら対応されたようだ。精査こそまだしていないが、一見したところ問題なさそうである。
合わせてcolorもアップデートあったのだが、例のグラボとの相性はそのままらしく、うちのMacでは8bit演算のみの状態。。。。
2008年7月13日日曜日
婦女子とプラモ
先日、女性と話していて最近の“腐女子”という言葉が話題になった。
「あまりにもマスコミも使うから、“婦女子”より“腐女子”のが一般的になってきちゃったね。そのうち、“婦女子”という言葉は“腐女子”に取って代わられてしまうかも。もともと“婦女子”自体、死語に近い状態だったし……」
うなづく彼女の職場には実際にそういう人(仮にAさん)がいると言う。Aさんは“腐女子”を知らなかったらしく、本屋に貼られたポスターなどにあまりに“腐女子”という言葉が使われているのが気になり、彼女にどういう意味かと尋ねてきたそうだ。彼女は丁寧にその由来と“婦女子”をもじった造語であることを教えてあげたのだそうだが、なんと「“婦女子”なんて言葉あるの?」と返されてしまったそうだ。そんな人、実は結構いるんだろうなと思う。
「それで、最近はどうしてるの?」
話は変わり、彼女は僕のリハビリライフ(?)について訪ねてきた。
「プラモ作ってるよ」
先日のF-22の出来がうまくいったので、心なしか自慢気に答える自分。
でも、相手はきょとんと、
「プラモデル作って何が面白いの?」
「え?!」
やられた。そうか分らないのか。そこで口に出さずと僕は思った。
「婦女子には分かるまい……」
「あまりにもマスコミも使うから、“婦女子”より“腐女子”のが一般的になってきちゃったね。そのうち、“婦女子”という言葉は“腐女子”に取って代わられてしまうかも。もともと“婦女子”自体、死語に近い状態だったし……」
うなづく彼女の職場には実際にそういう人(仮にAさん)がいると言う。Aさんは“腐女子”を知らなかったらしく、本屋に貼られたポスターなどにあまりに“腐女子”という言葉が使われているのが気になり、彼女にどういう意味かと尋ねてきたそうだ。彼女は丁寧にその由来と“婦女子”をもじった造語であることを教えてあげたのだそうだが、なんと「“婦女子”なんて言葉あるの?」と返されてしまったそうだ。そんな人、実は結構いるんだろうなと思う。
「それで、最近はどうしてるの?」
話は変わり、彼女は僕のリハビリライフ(?)について訪ねてきた。
「プラモ作ってるよ」
先日のF-22の出来がうまくいったので、心なしか自慢気に答える自分。
でも、相手はきょとんと、
「プラモデル作って何が面白いの?」
「え?!」
やられた。そうか分らないのか。そこで口に出さずと僕は思った。
「婦女子には分かるまい……」
震電
2008年7月1日火曜日
グラビアメイキング撮影に復帰?
ここ数年の仕事のひとつであるグラビアメイキング撮影に手術後初めて復帰してきた。
スタジオ撮りなので比較的楽な現場のはずなのだが、後半背中に疲れが溜まってきた。
帰宅後は、まずは横になってしばし休んだ。
休息後は、新たなプラモを少し進めた。その新たなプラモのことは、また後日。
スタジオ撮りなので比較的楽な現場のはずなのだが、後半背中に疲れが溜まってきた。
帰宅後は、まずは横になってしばし休んだ。
休息後は、新たなプラモを少し進めた。その新たなプラモのことは、また後日。
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